骨髄抑制は化学療法時によく見られる副作用で、骨髄抑制により生じる好中球減少は、化学療法中の患者さんにおける感染症発症の、最大の危険因子とされています。発熱好中球減少症(Febrile Neutropenia)に対する治療開始の遅れは命にかかわる状況となります。そのため、発症予防と早期発見が大変重要になります。
白血球数(好中球数)は化学療法時開始から7~14日目に最低値に至ることが多いですが、減少の程度や持続時間は治療レジメンや状態により変動します。セルフケアとして、”感染予防”と”発症早期の対応” ができることが大切です。
”感染予防”・・手洗い、うがい、口腔ケア、マスクの着用
”発症早期の対応”・・好中球が減少し感染症にかかりやすくなった時期の症状を把握しておく
感染しやすい部位と主な症状*
部位 | 症状 |
---|---|
口腔 | 口腔内の発赤・腫れ・痛み・歯の痛み |
上気道 | 鼻水,のどの腫れ、痛み |
肺・気管支 | 咳、痰、息苦しさ |
消化器 | 腹痛、下痢、吐き気 |
肛門 | 肛門周囲の発赤・腫れ・痛み |
尿路 | 尿のにごり、尿意の増加、排尿時痛、残尿感 |
皮膚 | 唇や皮膚の痛み、水疱 |
その他 | 38度以上の発熱、寒気、震え、頭痛、関節痛など |
軽度
<症状>特に自覚はない。
<対応>治療レジメンや免疫状態から感染リスクを確認する。血液データで白血球数・好中球数の低下傾向を確認する。
<セルフケア>しっかり手洗いやうがい、口腔ケア、マスクの着用を行って感染を予防する(そうじや植物、ペットの世話のあとは特に注意する)。毎日熱を測る習慣をつける。
中等度
<症状>口の中の痛み(口内炎)、お尻の痛み(肛門痛)など(上記:感染しやすい部位と主な症状)
<対応>発熱性好中球減少症(FN)の高リスク患者(高齢者、FNの既往がある)では、予防的G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)投与が推奨されている。外来患者では発熱時すぐに内服ができるよう、抗菌薬を処方しておく場合もある。
<セルフケア>発熱(37.5度以上)時や症状出現時、すぐに抗菌薬の内服や受診ができるようにする。
重度
<対応>血液検査(血算・白血球分画・生化学検査、静脈血培養)、必要に応じてX線、尿検査を実施。バイタルサインを測定して全身状態を把握。FNの場合はただちに広域抗菌薬の投与を行うとともに、感染源を検索(口腔・鼻腔粘膜、爪周囲、股部、肛門周囲、静脈カテーテル刺入部などの感染兆候を確認)
<セルフケア>発熱の程度や経口摂取の状況を知らせる。すぐの受診が難しければ、入院してFN治療を行う。
NCI-CTCAE ver4.0(National Cancer Institute:米国国立がん研究所-Common Terminology Criteria for Adverse Event:有害事象共通用語基準)による重症度評価ものせておきます。
発熱性好中球減少症(FN)の重症度評価
Grade 1 | 定義なし |
Grade 2 | 定義なし |
Grade 3 | 好中球数<1000/μLで、かつ、1回でも38.3度を超える、または1時間を超えて持続する38度以上の発熱 |
Grade 4 | 生命を脅かす;緊急処置を要する |
好中球数減少の重症度評価
Grade 1 | <~1500/μL |
Grade 2 | <1500~1000/μL |
Grade 3 | <1000~500/μL |
Grade 4 | <500/μL |
以上です。
YORi-SOUがんナーシング 2018 vol.8 No.4 より抜粋しました
ぴのこ拝
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