肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

がんの症状対策 しゃっくり

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しゃっくり

主な原因 
しゃっくりは、病気や治療の時期に関係なく、様々な原因によって出現します。しゃっくりの主な原因は、①横隔膜への刺激②のどへの刺激③脳の病期④治療のために使用した薬⑤ストレスが考えられます。

横隔膜への刺激:肺炎や逆流性食道炎などの炎症、便秘や腹水貯留、胃内容物停滞による腹部膨満感、肝転移による肝腫大によって、横隔膜を刺激します。
のどへの刺激:のど周囲の炎症や治療による影響でのどにある神経を刺激します。
脳の病気脳梗塞や脳転移が原因になることがあります。
治療のために使用した薬抗がん剤抗がん剤の治療の時に使用することが多いステロイドや痛みどめが原因になることがあります。
ストレス:不安などの心理的な要因がきっかけになることがあります。


どのように対応・治療するか
しゃっくりの「持続性」「頻度」「不快感・息苦しさ・筋肉痛・体力消耗・だるさなどの随伴症状」「睡眠や食事や、会話などの日常生活への影響」を評価して、治療の方向性を決めます。
原因に対する治療
民間療法として古くから伝承されている方法
しゃっくりに対する薬物療法


患者さん自身でできること
民間療法として古くから伝承されている方法には、比較的副作用はありません。しゃっくりを緩和するための効果的な方法があるか、悪化しないために、生活の中でできることを探します。

身体の刺激
・冷刺激法:氷片を食べる、冷水を飲んだり、冷水をスポンジブラシに含ませて口腔ケアを行う、みぞおちを冷やすなど
・化学的刺激法:息をこらえる、紙袋を口に当てて自分の吐く息を吸い込む、ペーパーバッグ再呼吸法など
・横隔膜の圧迫刺激:膝を抱えて胸部に引き寄せる運動
生活の中でできること
・姿勢の工夫:横隔膜・胸郭の圧迫を防ぐため背筋を伸ばして座る
・寝る時の姿勢の工夫:上体を少し上げた楽な姿勢で休む。
・食事の工夫:胃の内容物による拡張を少なくするために、食事はゆっくり小分けにする、炭酸飲料は最小限にする。
・排便管理:腸管ガスや便秘による腹部膨満感を緩和するために、排便コントロールを行う。(スマホアプリがあります)
・気分転換:ストレスや不安を顕現してラクセーションを目的に、ゆったりした気分で過ごす、マッサージや足浴など心地よいことを行う、深呼吸を意識的に行う。

こんなときは医療者に連絡を
 しゃっくりには、一過性のものと、1か月以上症状が緩和しない難治性のものがあります。しゃっくりが患者さんにとってつらい症状になっていること、生活への影響が大きい症状であることは理解されています。しゃっくりが止まらないとき、しゃっくりで苦しい・不快が続いているとき、ご飯が食べれない・眠れないなど生活に影響が出ているときには、医療者に相談をしましょう。

しゃっくりの薬物療法

治療薬
抗精神病薬 クロルプロマジンウインタミン®、コントミン®)ハロペリドールセレネース®)
てんかん クロナゼパム(ランドセン®、リボトリール®)ガバペンチン(ガバペン®)
ドパミン拮抗薬 メトクロプラミド(プリンペラン®)
漢方薬 芍薬甘草湯、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)、柿蔕湯(シテイトウ)
生薬 柿のへた

以上です。
緩和ケア患者説明ガイド 2017年2月発行 メディカ出版より抜粋しました

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干支に近いかな