今1月12日現在インフルエンザが猛威を奮っています。今まで私が仕事場で抗インフル薬を投与してみて、今年は家族でほとんど1~2日で同時にかかる患者さん達が多い気がしました。空気が乾燥しているせいか、感染力が強くなっているんでしょうか。予防として部屋の加湿も大切です。
抗インフルエンザ薬にも保険は使えませんが、使用が認められている予防投与があります。
ラニナビル(イナビル®)オセルタミビル(タミフル®)ザナミビル(リレンザ®)(パラボキシル(ゾフルーザ®)にまだ予防投薬は承認されていない。)
これらの薬の添付文書には、
「本剤を予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者「65歳以上)
(2)慢性心疾患患者
「3」代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者」
がんサバイバーも、栄養不良、体調不良のときは、予防の必要なハイリスク患者に入るかもしれません。ご家族がインフルエンザになったとき予防投与が必要になるか、不安な方は主治医または近所のかかりつけの医師に相談してみてください。
文献にも、乳がん生存者は、がん以外の生存者よりもインフルエンザにかかりやすい(あくまで健康保険審査評価サービスのデータ)という韓国の報告がありました1*)
抗インフル薬の予防投与は保険が効きませんので、それぞれの薬代だけの計算もしておきます。
用法 | 薬価=薬代のみ | |
タミフル® | 成人:1回75mgを1日1回、7~10日間投与 | 1904~2720円 |
リレンザ® | 成人および小児:1回10mg(5㎎を2BLを1日1回10日間 | 2942円 |
イナビル® | 成人:40mgを単回、10歳未満、20mg単回、10歳以上40mgを単回 | 2140~4280円 |
併用禁忌は3剤ともありませんが、
慎重投与 | |
タミフル® | 高度な腎機能障害患者 |
リレンザ® | 乳製品に対して過敏症の既往歴のあるもの |
イナビル® | 乳製品に対して過敏症の既往歴のあるもの |
1*)Influenza Among Breast Cancer Survivors in South Korea: A Nationwide Population-Based Study.
Heo J1, Chun M2, Oh YT1, Noh OK1,3, Kim L4. PMID: 28882967 PMCID: PMC5656874
以上です。
連日風邪薬投薬説明、吸入指導をしているばてばて肺がん患者のぴのこです。私もかかりつけの先生にタミフル予防投与をお願いしようかなと思っています。もうすぐ受験シーズンです。できるだけ流行を押さえてあげたいです。皆様体調管理にくれぐれもお気を付けくださいませ。
ぴのこ拝