肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

遺伝医学の基礎(1)エピジェネティック(ス)とは?

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エピジェネティック(ス)とは? 

 最近、遺伝子パネル検査を理解するにあたり、分子生物学遺伝医学の泥沼にはまっています。大変難しいです。そこで勉強を兼ねて、基本的なところから、閑話休題として、述べていこうと思い立ちました。少ない文献からですので、言葉足らないことも多いと想いますが、ご了承下さい。

『遺伝医学への招待』南江堂 から
DNA塩基配列以外の変化によって、遺伝子発現が変更される場合を、エピジェネティックな変化と呼ぶ。
例えば、DNA塩基のメチル化やアセチル化などの、単なる化学修飾で、DNAの配列が変化する変異とは異なる。



『スクエア最新図説生物』(高校生物Ⅱ副教材)から
・DNAの塩基配列の変化を伴わずに、細胞分裂や世代を経て伝わる遺伝現象、またはその現象の解明を目指す研究分野を、エピジェネティックスと呼ぶ。

・遺伝子のオンとオフを規定するエピジェネティックス情報は、細胞分裂を通じて、きちんと維持される必要がある。DNAと同じように、DNA複製に際して、その情報は、娘細胞へ伝えられる。しかし、この情報は、DNAの塩基配列のように、恒久的なものではない。例えば、配偶子形成の際や、iPS細胞のように、細胞が初期化されるような場合は、エピジェネティックス情報消去され、新たな修飾パターンへと書き換えられるとされている。

エピジェネティックスは、がん化などの疾病や老化とも深くかかわっている。これまで、がん化の過程は、がん遺伝子やがん抑制遺伝子の突然変異によって議論されることが多かったが、エピジェネティックス情報破綻も深く関わっている。正常な細胞のエピジェネティックス情報を手に入れることができれば、がん細胞や他の疾病のエピジェネティックス情報比較する事で、その疾病に至る原因を探ることが可能になる。

・現在ポストゲノム研究(ゲノムの塩基配列決定後に行なわれる生命現象の機能を探る研究)の1つの方向性として、全ゲノム上のエピジェネティックス情報を網羅する、エピゲノム計画が国際的な規模のプロジェクトとして進められている。

以上です。

若い、輝ける力に期待したい。そんな気持ちでいっぱいです。

ぴのこ拝