肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

2018-01-01から1年間の記事一覧

がんの症状対策 しゃっくり

しゃっくり主な原因 しゃっくりは、病気や治療の時期に関係なく、様々な原因によって出現します。しゃっくりの主な原因は、①横隔膜への刺激②のどへの刺激③脳の病期④治療のために使用した薬⑤ストレスが考えられます。①横隔膜への刺激:肺炎や逆流性食道炎など…

がんの症状対策 リンパ浮腫

原因と症状 乳がんや子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなどの手術後に起こる特有のむくみをリンパ浮腫と言います。脇の下にあるリンパ節を切除した場合には、手術した側の腕が反対の腕と比較して太くなります。骨盤内や足の付け根にあるリンパ節を切除した場合…

抗がん剤副作用対策 末梢神経障害

末梢神経障害(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy; CIPN)は、目で見えない主観的な感覚異常です。初期は手足先の違和感程度でも、投与ごとに蓄積性(何コース目の治療か、総投与量の程度)に神経障害が増強します。 末梢神経障害が出現しやすい薬…

抗がん剤副作用対策 貧血

化学療法に伴う貧血は、治療レジメンや状態によって出現時間や重症度が異なります。赤血球の寿命は約120日と長いため、貧血は数週~数か月でゆっくりと発現することが特徴です。 軽度の貧血では症状は必ずしも発現せず、慢性の貧血は徐々に進行するため、…

がんの症状対策 胸水

今回はがんの症状対策についてです。 胸水 肺は、弾力性のある空気を出し入れする風船のような入れ物です。横隔膜と肋骨にある筋肉の動きで伸縮して、酸素の入れ替えを行います。肺の伸縮を助ける2枚の胸膜のすき間には少量の胸水が貯留しています。 胸水は…

抗がん剤副作用対策 白血球減少(感染症・FN)

骨髄抑制は化学療法時によく見られる副作用で、骨髄抑制により生じる好中球減少は、化学療法中の患者さんにおける感染症発症の、最大の危険因子とされています。発熱好中球減少症(Febrile Neutropenia)に対する治療開始の遅れは命にかかわる状況となります…

抗がん剤副作用対策 下痢

下痢を引き起こしやすい薬剤 下痢は電解質異常や脱水、腸粘膜の破たんによる細菌侵入など、生命にかかわる可能性のある症状です。特に、下痢につながる有名な薬剤はイリノテカン(カンプト®)で投与前に副作用を予知する遺伝子変異の診断が保険適応になった…

抗がん剤副作用対策 疲労・倦怠感

疲労・倦怠感はがん患者が訴えるもっとも高頻度の症状の一つであり、複数の要因によって引き起こされることや病態が刻々と変化することも多いため、常にモニタリングや評価を行い、病態を検討して対処する必要があります。確立された対処法はないため個人の…

抗がん剤治療中・後の運動

がん化学療法中・後の個別の症状に関しては、有酸素運動や筋力トレーニングを実施することが、運動耐用能、倦怠感、免疫機能、不安や抑うつの改善につながるとして、米国がん協会(*1)や日本がんリハビリテーション研究会のガイドライン(*2)で推奨されていま…

抗がん剤副作用対策 口内炎

がん治療が開始され抗がん剤の投与や放射線治療が進む中で、口腔内トラブルが発生することがあります。 口内炎をはじめとした粘膜障害は食事摂取量の減少といった小さな影響から便秘や悪心、その他多くの苦痛症状へ波及します。 *** 発生機序 1.口腔粘膜炎 …

抗がん剤副作用対策 発疹

EGFR阻害剤では、ざ瘡(にきび)様症状が、皮脂腺の多い頭皮、顔面、前胸部、背中に早期に発現します。EGFR投与開始後1週以降でざ瘡様皮疹が、約3~5週で皮膚乾燥を伴い、手の指先にひび割れを生じ、約8週で爪周囲炎が遅発的に現れるようになります。爪周囲…

抗がん剤副作用対策 味覚障害

抗がん剤の味覚障害は、他の副作用と比較すると発現時間も明らかではなく、十分な対処法も確立されていません。また、生命予後に直接関係するものではない為、医療者からは軽視されがちな副作用の一つです。 味覚異常は食欲不振を引き起こすだけでなく、患者…

抗がん剤副作用対策 皮膚の乾燥とスキンケア

皮膚の乾燥は年齢とともに進行し、夏よりは湿度の低い冬から春にかけて、また、分子標的薬の副作用としても発現します。 皮膚の乾燥に最も気をつけるのは入浴(洗顔、洗髪を含む)で、一日の楽しみの一つですが、皮膚にとっては必要悪となります。角層が剥が…

パールリボンキャラバン in 大阪 肺がん みんなで学ぼう治療のヒント

こんにちは ぴのこです。久しぶりの公開となりました。今回は10月13日に開催された パールリボンキャラバン in 大阪 について簡単に述べようと思います。「肺がんの基礎知識」大阪はびきの医療センター 平島智徳先生#1肺がんとは #2肺がんの薬物療法 1)細…

慢性心不全患者の緩和ケア

国立循環器病研究センター 看護部 急性・重症患者看護専門看護師 高田弥寿子先生 日本緩和医療学会第24回教育セミナーより(4) Ⅰ.慢性心不全における緩和ケアの動向 慢性心不全の人口動態は、2025年では120万人/年の罹患者と15万人/年の死亡者数と推測され…

免疫チェックポイント阻害薬の有害事象

早期発見・早期治療に向けて 国立がん研究センター東病院 薬剤部 野村久祥先生日本緩和医療学会第23回教育セミナーより (3) 1.免疫チェックポイント阻害薬について がん治療の基本戦力は、 ①外科的手術②放射線治療③抗がん剤&分子標的薬④がん免疫療法 であ…

がん患者の神経障害性疼痛

和歌山県立医科大学麻酔科学教室 川股 知之先生 第24回日本緩和医療学会教育セミナーより(2) 原因による痛みの分類 痛みの種類 原因 例 侵害受容性痛 侵害受容器の活性化 打撲、やけど、手術操作による痛み、術後痛 神経障害性痛 神経系の機能異常 ヘルニ…

がん患者におけるせん妄のケア

名古屋市立大学病院緩和ケア部 名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動学分野 奥山 徹先生 第23回日本緩和医療学会教育セミナーより (1) せん妄はがん患者において頻度が高く、様々な悪影響をもたらす。身体的原因の同定と除去、非薬物療法、薬…

がん患者を対象にした緩和ケア情報共有ツールを用いたシームレスな地域連携の試み

友松裕子(1)(2)、井戸智子(1)(3)、壁谷めぐみ(3)(4)、湯浅周(4)、古賀千秋(2)(3)(5)、長尾清治(3)、太田信吉(6)、伊奈研次(2)(3)(7) 名古屋記念病院(1)医療社会相談室(2)がん相談支援センター(3)緩和ケアチーム(4)薬剤部(5)看護部(7)化学療法科、愛知国際病…

NHKマイあさラジオ 社会の視方・私の視点 終末期の在宅医療・緩和ケアを充実させるために

在宅での医療・ケアの在り方は 日本在宅ホスピス協会会長 小笠原文雄先生 2018年4月12日 Q 「回復の見込みのない高齢者の患者等の終末期の治療方法を選ぶ手順」が11年ぶりに改訂されました。在宅医療も推進されていますが、近くに病院がない、ご近所に体制…

緩和ケアチームの支援により難治性神経障害性疼痛にメサドンが有効であった1例

山田正実(1)(2)(3)千丸裕美(2)、渡邊美貴(1)、松村千佳子(1)(2)(3)、鎌田実(1)、高橋一栄(2) (1)大阪府済生会野江病院緩和ケアチーム(2)大阪府済生会野江病院薬剤科(3)京都薬科大学臨床薬学教育研究センター (2017年10月22日受理) 日本緩和医療薬学会 雑…

進行がん患者と家族の食に対する苦悩への緩和ケアと栄養サポート

進行がん患者 家族 がん悪液質 食に関する苦悩 栄養サポート PalliatCare Res 2018.13(2:169-74 大阪市立総合医療センター緩和医療科 天野先生、 聖隷三方原病院 緩和支持治療科森田先生 日本緩和医療学会 後悔講座 原書より(1) つたない要約でお許しくだ…

肺がんになった薬剤師(ぴのこ)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

はじめまして!薬剤師ぴのこです。 製薬会社研究所⇒主婦⇒病院(介護療養医療施設・老健併設)⇒保険薬局と 20年以上薬剤師として働いてきました。お薬の箱を持つだけでワクワクする薬オタクです。保険薬局で毎日が勉強、フィールドワークの1種と思え楽しく働い…