肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

1.がん患者におけるWHO除痛ラダーの 2 段階アプローチと標準的な 3 段階 アプローチを比較する、国際的な 非盲検ランダム化試験

2018年WHO方式がん疼痛治療法ガイドラインが改定され、3段階徐痛ラダーが削除となり。教育用ツールとして使用する事となりました、。

1.がん患者におけるWHO除痛ラダーの2 段階アプローチと標準的な 3 段階アプローチを比較する、国際的な非盲検ランダム化試験
国際医療福祉大学病院 薬剤部
佐藤 淳也
【目的】
これまでがん疼痛管理は、WHO 方式 3 段階の除痛ラダーに従って行われてきた。しかし、ステップ2 で弱オピオイド鎮痛薬を使用することは、有効性や費用面で問題となる可能性がある。そこで、ステップ 2 を省略することの有効性、安全性、コストを評価した

【考察】
今回の RCT は、ステップ 2 をバイパスした 2 段階アプローチは、3 段階アプローチよりも効果(疼痛管理までの時間)が同等で、安価かつ安全であることを示した。
【コメント】
今回の RCT により、アセトアミノフェン使用後、トラマドールやコデイン追加という方法をとらずにも、モルヒネオキシコドンに移行することのメリットを示した。経済性については、医療経済環境の異なる 3 カ国(イギリス、ウガンダ、メキシコ)のデータを用いて、いずれも 2 段階アプローチの妥当性を確認している。このように、ステップ 2をパイパスする検討は、これまで 2 つの報告がある。Marinangeli らは、軽度・中等度の疼痛を有する患者 100 例を無作為に割り付け、比較した結果、強オピオイド鎮痛薬の投与を開始した患者は、弱オピオイド鎮痛薬のステップを経た治療よりも有意に痛みが緩和したことを報告した(J Pain SymptomManage 2004; 27: 409–416.)。Maltoni らは、54 名の患者を同様に 2 ステップと従来の 3 ステップで除痛を行う 2 つの群に割り付け評価した結果、グレード3 以上の食欲不振と便秘は、2 ステップの方が高頻度であったものの、NRS において 5 以上あるいは 7以上の日数は、いずれも 2 ステップの方が、有意に優れていることを報告した(Support Care Cancer(2005) 13: 888–894)。弱オピオイド鎮痛薬であるトラマドールは、非麻薬として導入されたり神経障害性疼痛の改善を意図して使用される場合はあるが、これは弱オピオイド鎮痛薬であるトラマドールは、非麻薬として導入されたり神経障害性疼痛の改善を意図して使用される場合はあるが、これ以外の除痛には、オピオイド鎮痛薬を削除した 2 ステップ除痛が有益である可能性がある根拠が補完された

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