肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

抗がん剤副作用対策 貧血

化学療法に伴う貧血は、治療レジメンや状態によって出現時間や重症度が異なります。赤血球の寿命は約120日と長いため、貧血は数週~数か月でゆっくりと発現することが特徴です。 軽度の貧血では症状は必ずしも発現せず、慢性の貧血は徐々に進行するため、…

がんの症状対策 胸水

今回はがんの症状対策についてです。 胸水 肺は、弾力性のある空気を出し入れする風船のような入れ物です。横隔膜と肋骨にある筋肉の動きで伸縮して、酸素の入れ替えを行います。肺の伸縮を助ける2枚の胸膜のすき間には少量の胸水が貯留しています。 胸水は…

抗がん剤副作用対策 白血球減少(感染症・FN)

骨髄抑制は化学療法時によく見られる副作用で、骨髄抑制により生じる好中球減少は、化学療法中の患者さんにおける感染症発症の、最大の危険因子とされています。発熱好中球減少症(Febrile Neutropenia)に対する治療開始の遅れは命にかかわる状況となります…

抗がん剤副作用対策 下痢

下痢を引き起こしやすい薬剤 下痢は電解質異常や脱水、腸粘膜の破たんによる細菌侵入など、生命にかかわる可能性のある症状です。特に、下痢につながる有名な薬剤はイリノテカン(カンプト®)で投与前に副作用を予知する遺伝子変異の診断が保険適応になった…

抗がん剤副作用対策 疲労・倦怠感

疲労・倦怠感はがん患者が訴えるもっとも高頻度の症状の一つであり、複数の要因によって引き起こされることや病態が刻々と変化することも多いため、常にモニタリングや評価を行い、病態を検討して対処する必要があります。確立された対処法はないため個人の…

抗がん剤治療中・後の運動

がん化学療法中・後の個別の症状に関しては、有酸素運動や筋力トレーニングを実施することが、運動耐用能、倦怠感、免疫機能、不安や抑うつの改善につながるとして、米国がん協会(*1)や日本がんリハビリテーション研究会のガイドライン(*2)で推奨されていま…

抗がん剤副作用対策 口内炎

がん治療が開始され抗がん剤の投与や放射線治療が進む中で、口腔内トラブルが発生することがあります。 口内炎をはじめとした粘膜障害は食事摂取量の減少といった小さな影響から便秘や悪心、その他多くの苦痛症状へ波及します。 *** 発生機序 1.口腔粘膜炎 …