肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

2022/11/8 『第32回勝タイム!全員集合』での質問に対する回答

 

皆さんこんにちは。今回は11/8にゲストに呼んでくださったYou Tube『第32回勝タイム!全員集合』の中ででた質問回答コーナーです。2つの質問(Q1・2)の回答と皆さんからの質問が多かったロキソニンカロナールの違いについての説明です。



 Q1硬膜外麻酔と皮下投与とはどう違うのか
 A1
 ・硬膜外麻酔は脊髄を覆っている硬膜という膜の外側に麻酔薬を注入し、神経を痺れさせます。術後の痛みへの対策として、全身麻酔の前に硬膜外麻酔の管を挿入する方法も広く使われています。

 ・皮下投与
   ・(CVポート:皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)中心静脈カテーテルの一種でデバイス本体が完全に皮下に埋め込まれた中心静脈カテーテル
   ・SCF(鎖骨下動脈フラップ)
があります。


硬膜外麻酔と、皮下投与の効果の違いはどうなのかは、使用される麻酔薬、鎮痛薬の違いもありますので一概には言えませんが硬膜外麻酔には頭痛、血圧低下、徐脈、吐き気・嘔吐、呼吸抑制などの副作用に加え、血腫、膿瘍、神経損傷といった重篤な合併症のリスクもあります。厳重な管理の下で施行されるといっていいでしょう。


Q2おたふく風邪水疱瘡、麻疹などなぜ子供の方が軽くて大人が重症になるのですか
   ・小児の1/3は不顕性感染(細菌ウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず感染症状を発症していない状態)成人の場合は顕性感染が多いです。そして発熱だけに限定しても大人の方が身体症状が重いのは発熱に対する慣れの違いがあるかもしれません。子供は免疫システムが発達段階なのでしょっちゅう何かに感染して発熱しています。逆に大人の場合は免疫システムが正常に作動しているので、発熱する事が少なく倦怠感を強く感じることもありえます。



ロキソニン®️(ロキソプロフェンナトリウム)とカロナール®️(アセトアミノフェン)の違いについて


ロキソプロフェンナトリム(ロキソニン®)

NSAIDs(エヌセイズ)という非ステロイド性抗炎症薬の一種で解熱・鎮痛・解熱作用を平均して有しています。胃障害・腎障害などの副作用が比較的少ない部類に入ります。とくにロキソニンはプロドラッグといって体の中で吸収変化した物質が炎症作用を表すため胃腸障害になりにくいといわれています。しかし消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害・重篤な血液の異常・心機能不全・アスピリン喘息・妊娠後期の女性には禁忌とされています

アセトアミノフェンカロナール®)
非ピリン系解熱鎮痛薬の部類に入り、中枢性の解熱鎮痛薬で、抗炎症・抗リウマチ作用は少ないです。鎮痛効果はNSAIDsよりやや劣るが副作用は軽度で有効性は高く、高齢者・小児の解熱鎮痛の第1選択薬となっています。
禁忌は消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害・重篤な血液の異常・心機能不全・アスピリン喘息ロキソプロフェンナトリウムと違って妊娠後期にも使用できますが、より慎重を期する警告として
重篤な肝障害をおこすおそれがあるので1日1500mgを超える量を長期に服用する場合は定期的な肝機能障害確認等慎重投与となっています。またOTC薬などアセトアミノフェンを含む薬とは併用を避けることが望ましいです

効きはじめの違い、血中濃度から
T1/2は血中濃度が半分になる時間、Tmaxは血中濃度が最高になる時間



ロキソプロフェンナトリム T1/2:1.2時間、Tmax:約1/2時間
アセトアミノフェン」   T1/2:2.36+-0.28時間 Tmax:0.46+-0.19時間

Tmaxはほとんど変わらず、T1/2はアセトアミノフェンのほうが長く、効き目の立ち上がりが、ロキソプロフェンナトリムに比べて少し遅くなります。

出典:治療薬マニュアル2022

これからコロナなのかインフルエンザなのかただの風邪なのかわからない毎日となりそうですが、毎朝の検温を忘れず、発熱したらどうすればよいか事前に家族内でシュミレーションしていくことが肝心ですね。
以上です