肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(2)

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今回は『がんの痛み治療ガイド増補版』日本緩和医療学会編 から痛みの伝え方について抜粋し、Q&A形式で紹介したいと思います。

* Q1 痛みの伝え方(表現方法)がよくわかりません。家族から代わりに話してもらってもよいのでしょうか?

A1 あなたの痛みをあなたの言葉でつたえましょう。

言葉による痛みの表現方法としては

・ズキンズキンと脈打つ痛み
・突き刺さるような痛み
・締め付けられるような痛み
・焼けつくような痛み
・重苦しい痛み
・割れるような痛み
・気分が悪くなるような痛み
・耐え難い、身の置き所のない痛み
・ギクッと走るような痛み
・鋭い痛み
・食い込むような痛み
・うずくような痛み
・さわると痛い
・心身ともにうんざりするような痛み
・恐ろしくなるような痛み
など

ご自分が感じている痛みをあなた自身の言葉で医師や看護師、薬剤師、家族に伝えてください。


また、痛みの強さを0から10の数字で答える方法や、10Cmの直線の上で痛みの強さを表現する方法痛みの強さを顔の表情にたとえて選んでもらう方法(フェイススケール)があります。
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 痛みの強さだけでなく、「いつも痛いのか」「どのようなときに痛くなりやすいのか」また「どのようなときに痛みが楽になるか」「どんな感じの痛みか」「痛くて眠れないなど日常生活で困っていることや不自由していることはあるか」など、ありのままに伝えることも大切です。痛みが伝われば、あなたにあった治療法がみつかります。

Q2 医師や看護師、薬剤師に痛みを訴えるのは気がひけます。特に診療の短い時間ではうまく伝えられません。どのように伝えたらよいでしょうか?

A2 痛みは感じている本人にしかわかりません。遠慮なく医師や看護師、薬剤師に伝えてください。もし短い診察時間で伝えにくいようでしたら、メモや痛みについての日記を利用して、自分が困っていることを伝えてください。

 
日記やメモには痛みの場所や程度、薬の効果などを具体的に書いておくとよいでしょう。

日記の内容

➀痛みの状況
・痛みの場所
・痛みの程度(数字や言葉で表現)
・いつから、どのように痛かったか

⓶どんなときに、どのように痛かったか
(例)横になると痛む
   犬の散歩をしていて途中で足が痛くなった

③自分で対処した場合、その方法と効果があったかどうか
 (例)とん服薬をのんで20分くらいで治まった
    さすったら楽になった
    温めたら楽になった

④その日の出来事や思ったこと、感じたこと
(例)子どもの運動会があった 
   家族とデパートに買い物に行った
   痛みがつらくてイライラした

 塩野義製薬等の製薬会社から、痛み日記や痛み伝達シートも配布されています。スマホアプリで「つたえるアプリ」も便利です。上手に利用していきましょう。

医師に相談しにくい場合、各診療所や病棟の看護師、薬剤師を活用しましょう。日常生活に支障が出ないようになるまで何度でも相談しましょう。痛みが取れると生活も普段通りにできるようになり、気持ちの上でもずっと元気になります。

以上です。次回は痛みに対する治療のしくみについてお伝えしたいと思います。

ぴのこ拝
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