肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

がん患者さんの体重減少と予後との関連性を考える~新規治療選択肢によって新たに考えるべきこと~

〜がん患者さんの体重減少と予後との関連性を考える~新規治療選択肢によって新たに考えるべきこと~

日経メディカルセミナーからの超抜粋です。

アナモレリンエドルミズ錠50mg®️適性使用について(グレリン様作用薬←下で解説します)

●初のがん悪液質治療薬である、アナモレリンに登場により、積極的ながん悪液質治療が可能になると考えられる。

●まずは体重の変化を把握することが第一歩。体重減少の重要性を意識していくことが大切。

●医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士等のチームによる集学的な治療を早期から実施できる体制を

現在アナモレリンの薬価は未収載ですが、多々施設で使われているようです。

エドルミズ錠50mg®︎が商品名です。肝代謝酵素 CYP3A4により代謝されますので、酵素を阻害する薬との相互作用の禁忌は、多いです。

添付文書より併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
クラリスロマイシン(クラリシッド
インジナビル(クリキシバン)
イトラコナゾール(イトリゾール
ネルフィナビル(ビラセプト)
サキナビル(インビラーゼ)
テラプレビル(テラビック)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
リトナビル含有製剤(ノービア)
コビシスタット含有製剤(スタリビルド)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A4に対する強い阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

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介護する女性

グレリン(生理作用) wikiより

グレリンは下垂体に働きかけ、成長ホルモン分泌を強力に刺激する。この作用は、成長ホルモン放出ホルモン (GHRH) による成長ホルモン分泌と相乗的である。また、視床下部に働きかけ、摂食を刺激する。グレリンの投与により、体重増加、脂肪組織の増大がみられることから、脂肪細胞が産生する抗肥満ホルモンであるレプチンに拮抗するホルモンであると考えられている。

日本での開発状況アナモレリン(エドルミズ錠50mg®️)

日本人の悪液質合併非小細胞肺がん患者に対し、アナモレリンとプラセボを比較した無作為化二重盲検試験ONO-7643-04試験により、除脂肪体重が有意に増加し、食欲不振症状および栄養状態が改善されたことが発表された[10]。消化器癌における悪液質に対するアナモレリンの有効性と安全性を評価する多施設非無作為化オープンラベル試験ONO-7643-05の結果、消化器癌悪液質患者の除脂肪体重、体重が有意に増加し、食欲関連QOLも改善したことが公表された[11]。2018年、がん悪液質による体重減少や食欲不振改善の効能・効果で承認申請を日本にて行った[12]。2021年1月、当局により承認されたことが報道され、4月以降にがん悪液質治療薬「エドルミズ」として日本国内での販売開始が予定されている[13]。

がん悪液質に期待されている新薬です。在宅で使われる事も多くなりそうで、併用禁忌はくれぐれも気を付けたいところです。

以上です。ぴのこ拝



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