肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

がん医療・緩和ケアにおいて, 医師の経験する地域差に関する調査 ─沖縄・東北・首都圏の比較─

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内藤 明美1),森田 達也2),神谷 浩平3),鈴木 尚樹4),田上 恵太5),
本成登貴和6,7),高橋 秀徳8,9),中西絵里香10,11),中島 信久8)
1)宮崎市郡医師会病院 緩和ケア科,2)聖隷三方原病院 緩和支持治療科,
3)一般社団法人 MY wells 地域ケア工房,4)山形大学医学部附属病院 腫瘍内科,
5)東北大学大学院 医学系研究科 緩和医療学分野,6)中頭病院 乳腺外科,
7)東北大学大学院 医学系研究科 外科病態学講座 乳腺 ・ 内分泌外科学分野,8)琉球大学病院 地域・国際医療部,
9)帝京大学医学部 緩和医療学講座,10)聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科,
11)東北大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野

【背景】医療において文化的側面への配慮は重要である.本研究は沖縄・東北を例に首都圏と対比させ国内のがん医療・緩和ケアにおける地域差を調査した.
【対象・方法】沖縄,東北,首都圏でがん医療に携わる医師を対象とした質問紙調査を行った.
【結果】553 名(沖縄 187 名,東北 219 名,首都圏 147 名)から回答を得た.地域差を比較したところ,沖縄では「最期の瞬間に家族全員が立ち会うことが大切」「治療方針について家族の年長者にで亡くなると魂が戻らないため自宅で亡くなることを望む」などが有意に多く,東北では「特定の時期に入院を希望する」が有意に多かった.東北・沖縄では「がんを近所の人や親せきから隠す」「高齢患者が治療費を子・孫の生活費・教育費にあてるために治療を希望しない」が多かった.
【結論】がん医療・緩和ケアのあり方には地域差があり地域での文化や風習を踏まえた医療やケアに気を配る必要がある.
Palliat Care Res 2021; 16(3): 255-60
Key words: がん・緩和ケア,地域差,東北,沖縄

がん医療専門病院は比較的都会に集中しています。個別化医療のエキスパートパネルは遠隔地の病院も連携して行われます。地域により患者の心持が異なり、風土に合った治療、緩和ケアが求められます  

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以上 ぴのこ拝