肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

早期からの緩和ケア外来の実践に関する後方視的研究

今回は精力的に早期からの緩和ケアを推し進められている川崎市立井田病院西智弘先生のチームの活動報告です。2017年の活動報告ですが、最近は全国の病院の緩和ケアの実態に迫るべく、膨大なアンケートを実施されました。発表の待たれるどころです。


早期からの緩和ケア外来の実践に関する後方視的研究
西  智弘,小杉 和博,柴田 泰洋,有馬 聖永,佐藤 恭子,
宮森  正
川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター

2015 年 8 月から,他院で化学療法中の患者を緩和ケアとして併診する目的で,早期からの緩和ケア外来(EPC 外来)を開設.2015 年 8 月~2016 年 1 月に,EPC 外来を受診した患者について,初診診察時間,診察の内容,入院・死亡までの期間などについて,診療録から後ろ向きに調査を行い,同時期に腫瘍内科を受診した患者と比較検討した.結果,EPC 外来群 19 名,腫瘍内科外来群 11 名が,それぞれ延べ 80 回および 117 回外来受診.初診外来での診察時間中央値は各 45 分(10~106),38 分(23~60)であった(p=0.17).診察の内容は,症状緩和,コーピングなどについてはEPC外来群が有意に多かった.EPC外来群では初診から60日以内死亡が5名(26%)であった.EPC 外来で初診に要する時間は腫瘍内科外来と同程度であった.紹介されてくる時期が遅い患者も多く,今後の啓発と継続した実践が重要である.
Palliat Care Res 2017; 12(1): 901-05

Key words: 早期からの緩和ケア,End-ofーLife Discussion,外来


『結論』日本においてもEPC外来と銘打って開設し、運営していくことは実施可能である。実際に紹介される患者は診断早期からとは言い難い方も多いが、EPCを実践していくためにまずはこの外来を開設し、啓発や地域内システムの構築に努めていく事は重要である


以上です