肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

抗がん剤副作用対策 皮膚の乾燥とスキンケア

 皮膚の乾燥は年齢とともに進行し、夏よりは湿度の低い冬から春にかけて、また、分子標的薬の副作用としても発現します。

 

 皮膚の乾燥に最も気をつけるのは入浴(洗顔、洗髪を含む)で、一日の楽しみの一つですが、皮膚にとっては必要悪となります。角層が剥がれ落ちると皮膚に穴ができ、水分蒸発が増し、傷がつくことによって炎症が起きます。また、皮膚をこすることはEGFR阻害薬などによる皮膚乾燥やざ瘡(にきび)様皮疹の発生を促します。

 

 入浴時はタオルなどを使用せずに手でそっとなでるように洗います。 顔を洗った後のふき取り時はタオルを軽くあてて水分を吸い取るようにし、決して横方向にこすらないようにします。手指が白くふやけてしまった状態は皮膚のバリアがかなり破壊された状態と考えてよく、入浴後の乾燥と皮膚のひび割れにつながります。

 

 保湿剤は入浴と関係なく外用しても良く、軟膏、クリーム、ローション、水溶液の順に塗りやすくなっていきますが、保湿作用は落ちていきます。ワセリン(プロぺト®は純度が高く伸びがいい)、ツバキ油やオリーブオイルも安全に使用できます。市販薬はなるべく含有物質の種類の少ないものが望ましいです。

POINT

・入浴や洗浄は皮膚にとって必要悪と考える

・タオル、スポンジやブラシを用いず(石鹸は可)、手指の腹でやさしく洗う

・入浴は可能な限り短時間とする

洗顔は1日1~2回を限度とする

・皮膚を物理的に刺激するような垢すり、乾布摩擦、健康サンダルなどは避ける

・保湿剤の剤型をを好みに合わせて使い分ける

 以上です

Cancer Bosard Square vol.4 no.2 2018 より 抜粋しました ぴのこ拝

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