肺がんになった薬剤師(masami)がゲノム医療・緩和医療を学ぶ

ゲノム医療は、高校生物の知識が必要で難しいですが、ボチボチ学びます。緩和医療とはがん初期からの緩和ケアを含み、緩和ケア=あきらめ、死ではない。が持論です。所属する学会の許可を得ましたので、学んだことをつたないながら記事にして行きたいと思います。

ACE2レセプターとSARS-CoV-2との二ユートンのゆりかごを利用した共生

こんにちはぴのこです。 今日は楽しみにしていた日本がんサポーティブ学会がサーバーの不具合で中止になったので仕方がないので、自由に、就職のために頑張って勉強して得たアイデアを書いてみたいと思います。ACE2レセプターとSARS-CoV-2との二ユートンの…

肺がんで進むゲノム医療の応用(基礎)

肺がんで進むゲノム医療の応用Q&A 近畿大学医学部 ゲノム生物学教室教授 西尾和人先生 『肺がんのゲノム医療 遺伝子検査がわかる本』より Q1. がんゲノム医療とは何ですか? Q2. 肺がんのドライバー遺伝子について教えてください Q3. がんゲノム医療には、…

遺伝医学の基礎(1)エピジェネティック(ス)とは?

エピジェネティック(ス)とは? 最近、遺伝子パネル検査を理解するにあたり、分子生物学、遺伝医学の泥沼にはまっています。大変難しいです。そこで勉強を兼ねて、基本的なところから、閑話休題として、述べていこうと思い立ちました。少ない文献からですの…

新型コロナ感染症とがん患者Q&A(3)2020/06/19

新型コロナ感染症とがん患者Q&A(3) 2020/06/19 前回に引き続き、2020年5月10に発信されました日本癌学会の記事『新型コロナウイルス感染症とがん診療について Q&A(3)』 www.jca.gr.jp 日本癌学会の『新型コロナ感染症とがん患者Q&A』の⑧のマーカーが最…

閑話休題(2)

こんにちは。今、コロナウイルスについて皆さん、自分で勉強されているかたも多いと思います。が、私も、病院時代は、高齢者病院、兼、高齢者施設に勤務していたので、安心してワクチンをうって頂けるよう、インフルエンザワクチンの副作用(患者さんと職員…

閑話休題(1)

今日は、いい天気だったので、京都御苑に散歩に行ってきました。狭い我が家ですが、京都御苑は広くて気持ちがいい所です。四季折々の花が咲き、森のように古い木がたくさんあります。 大阪人で緑の少ない所で育った私は、嬉しくて、気分が良くなるので、よく…

新型コロナウイルス感染症とがん診療について Q&A(2)

前回に引き続き、2020年5月10に発信されました日本癌学会の記事『新型コロナウイルス感染症とがん診療について Q&A(2)』 <目次> 1疫学的なこと(がん患者さんのリスクなど) 2免疫とウイルス感染との関わり 3主治医に相談すること 4検査 について …

新型コロナウイルス感染症とがん診療について Q&A(1)

新型コロナウイルスも第二波、第三波に備える段階に入ってきました。各種がん学会のサイトに 新型コロナウイルス感染症とがん診療についてのQ&Aがアップされています。 www.jca.gr.jpwww.jsmo.or.jpwww.jsco.or.jpwww.jcancer.jp このうち日本癌学会と日本…

アドボカシー(advocacy)活動とスティグマ(stigma)

月刊 糖尿病ライフ さかえ 6月号 関西電力病院副院長 山田祐一郎先生のご寄稿「糖尿病とアドボカシー活動、スティグマ」より 今、世界中が想定を超えたコロナ禍の中にいますが、今危惧されていることとして、コロナ患者さんのスティグマ、担当する医療従事者…

近況報告(2)

こんにちは。 がん患者の就労は大変です。重宝されているようで、不況になったら、使い捨て。ブラック企業は、保険の継続まで後回し。 必ず、就労する時は、速やかに次の保険の継続を行うことを絶対条件にして、契約書を交わしましょう。貧すれば鈍する。優…

近況報告(1)

こんにちは、お久しぶりです。今何かとコロナで世間が騒がしいですが、ぴのこには、ハイリスク患者なうえ、気分障害もあり、毎日感情を抑えて、冷静に自分の勘気、自粛に気を付けていかなくちゃと体変です。ステージIBからもうすぐ2年半ですが、最近急に体調…

肺がんとゲノム医療

ずっと、しばらくがんの痛み治療について書いて来ました。 ちょっと休憩して、肺がんとゲノム医療について述べたいと思います。 私は、Lung Cancer Advocators Academy(LCAA)の1期受講生です。 今日は「肺がんとゲノム医療」国立がん研究センター東病院、…

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(4)

塩野義製薬~がんの痛み治療法について~より 今回はWHO方式がん疼痛治療法の第3段階にあたる、強い痛みに用いる痛み止めについて「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド」からの抜粋です。* Q1 医師からモルヒネが必要かもしれないと言われて不安で…

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(3)

今回は、がんの痛みに対する治療のしくみと痛み止めについて「がんの痛み治療ガイド増補版」日本緩和医療学会編から抜粋し、Q&A形式で紹介したいと思います。 * Q1 がんになり抗がん剤治療を受けていますが、痛みが出てきています。痛みの治療には、標準的な…

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(2)

今回は『がんの痛み治療ガイド増補版』日本緩和医療学会編 から痛みの伝え方について抜粋し、Q&A形式で紹介したいと思います。 * Q1 痛みの伝え方(表現方法)がよくわかりません。家族から代わりに話してもらってもよいのでしょうか? A1 あなたの痛みをあ…

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(1)

[ 平成28年12月改正のがん対策基本法では緩和ケアとは 「”がん”その他の特定の疾病に罹患したものに係る身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安を緩和することにより、その療養生活の質の向上を図ることを目的とする治療、看護その他の行為をい…

がん薬物療法と糖尿病、耐糖能異常

今回は 糖尿病療養指導のためのDMEnsemble 2019 Vol8 から 内野慶太先生(NTT東日本関東病院 腫瘍内科)の記事「がん薬物療法と糖尿病、耐糖能異常」についてです。 日本人の2人に1人が生涯でがんと診断される時代となりました。がん患者さんの8~18%に糖尿病…

子どもをもつがん患者・家族に必要な支援の後方視的検討

緩和医療学会のPalliative Care Research 活動報告からの抜粋です。 子どもをもつがん患者・家族に必要な支援の後方視的検討 小嶋リベカ、高田博美、石木寛人、木内大祐、里見絵理子 国立がんセンター中央病院 緩和ケアチーム、緩和医療科、看護部子育て世代…

長期がんサバイバーがピアサポート(患者会、NPO法人、がん患者サロン等)活動を続ける意味ー10年以上の活動経験を通してー

今回は緩和医療学会のPalliative Care Research Vol.14No.2 5月公開論文より、記事とさせていただきます。どうして患者会に行くと元気になるのか、その理由がはっきりと理解でき、また私自身もがんサバイバーとして、サポート活動に協働することでより良い…

がん治療と緩和ケアのQ&A~治療者の立場から~

今回は治療者の立場から、がん治療と緩和ケアのQ&AとしてCancer Board Square Vol.5 no.1 2019から記事を抜粋したいと思います。 代替療法 Answer:大場 大先生(東京オンコロジーセンター) :鈴木 梢先生(がん・感染症センター都立駒込病院) ** Q:化学…

抗がん剤副作用対策 せん妄

せん妄とは? せん妄は、感染や脱水、貧血、お薬など、体に何らかの負担がかかった時に生じる脳の機能の乱れであり、おもに下記のような症状がみられます。 ◇ぼんやりしている ◇話のつじつまが合わない ◇場所や時間が分からなくなる ◇夜眠れない、昼間はうと…

【肺がん体験者】 長谷川一男さん Part2

こんにちは。久しぶりの更新です。仕事復帰して忙しい毎日を送っていますが、元気にしています。 今回は、臨床試験をはじめ、最新のがん情報を患者さんへ届けている 「オンコロ」サイトでoncolo.jp 私の所属する、NPO法人肺がん患者の会 ワンステップの代表…

がんサバイバーとインフルエンザ(2)

かかりつけ医の大切さ こんにちは。ぴのこです。今回は私の経験を述べて、がんサバイバーの「かかりつけ医の大切さ」について記事にしたいと思います。 先週、薬剤師という立場上、オセルタミビル(タミフル®)を予防投与したにも関わらず、ひどい頭痛と吐き…

がんサバイバーとインフルエンザ

今1月12日現在インフルエンザが猛威を奮っています。今まで私が仕事場で抗インフル薬を投与してみて、今年は家族でほとんど1~2日で同時にかかる患者さん達が多い気がしました。空気が乾燥しているせいか、感染力が強くなっているんでしょうか。予防として部…

中学生に対するがん教育の実施および生徒の意識変化

新年初の更新です。今年も宜しくお願い致します。今回は日本緩和医療薬学雑誌 Vol.11 No.3 September 2018 原著論文より 引用させて頂きました。 中学生に対するがん教育の実施および生徒の意識変化 横山郁子 浅田聖士 藤本佳昭 河内正仁 沼田千賀子 (神戸…

がんの症状対策 しゃっくり

しゃっくり主な原因 しゃっくりは、病気や治療の時期に関係なく、様々な原因によって出現します。しゃっくりの主な原因は、①横隔膜への刺激②のどへの刺激③脳の病期④治療のために使用した薬⑤ストレスが考えられます。①横隔膜への刺激:肺炎や逆流性食道炎など…

がんの症状対策 リンパ浮腫

原因と症状 乳がんや子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなどの手術後に起こる特有のむくみをリンパ浮腫と言います。脇の下にあるリンパ節を切除した場合には、手術した側の腕が反対の腕と比較して太くなります。骨盤内や足の付け根にあるリンパ節を切除した場合…

抗がん剤副作用対策 末梢神経障害

末梢神経障害(Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy; CIPN)は、目で見えない主観的な感覚異常です。初期は手足先の違和感程度でも、投与ごとに蓄積性(何コース目の治療か、総投与量の程度)に神経障害が増強します。 末梢神経障害が出現しやすい薬…

抗がん剤副作用対策 貧血

化学療法に伴う貧血は、治療レジメンや状態によって出現時間や重症度が異なります。赤血球の寿命は約120日と長いため、貧血は数週~数か月でゆっくりと発現することが特徴です。 軽度の貧血では症状は必ずしも発現せず、慢性の貧血は徐々に進行するため、…

がんの症状対策 胸水

今回はがんの症状対策についてです。 胸水 肺は、弾力性のある空気を出し入れする風船のような入れ物です。横隔膜と肋骨にある筋肉の動きで伸縮して、酸素の入れ替えを行います。肺の伸縮を助ける2枚の胸膜のすき間には少量の胸水が貯留しています。 胸水は…